現存する日本最古の染色技法で、
藍を栽培し、自然発酵させて
染色を行う草木染めの一種の
正藍染(正藍冷染)の
人間国宝千葉あやのさんを母に持ち、
ご自身も100歳近くまで制作活動に
勤しんでおられた
宮城県指定無形文化財「正藍染」の保持者
千葉よしのさんの名古屋帯です。

しっかりとしたハリのある紬地に、
正藍冷染めで染められた帯地には、
絞り染めで見ざる、聞かざる、言わざるの
三猿が可愛らしく染められております。
手仕事を感じさせる、
二つと同じ物ができない素晴らしい
美しさのあるその表情は思わず
見入ってしまう様です。
前柄にも、三猿が一匹づつ
染められております。

正藍冷染の製造工程は
藍は稲の種まき時期に苗床で育て、
6月に畑へ移植して夏に2回収穫する。
刈り取った葉を天日干しして保存し、
冬に発酵させて「すくも」を作る。
翌春、そのすくもを搗いて「藍玉」に加工し、
十分に乾燥させて長期保存する。
染めの前には木桶「コガ」で
藍玉と木灰に湯を加えて発酵させ、
1か月ほどかけて藍を建てる。
発酵具合は気候によって変わる。
建てた藍で冬に織った麻布を染める。
早朝から作業を行い、布を浸しては洗い、
乾かす工程を9回繰り返して
濃い藍色に仕上げる。最後に大豆汁（呉）を
引いて完成するそうです。

こちらの帯でしたら、
小紋や江戸小紋のお着物もよろしいですし、
御召織や紬などの織りのお着物とも
相性がよろしいと思います。
工芸感のあるお着物とも素敵に
お召いただけるかと思います。


お太鼓上の三角の中に反端証紙が
繋がった状態で縫われております。

おそらく製造工程でのものだと思いますが、
お太鼓の三猿の中心の猿の目の箇所に補修跡の
様な物がございます。
他は使用感もなく、綺麗な状態です。

◆サイズ
長さ　：377cm
太鼓幅：31cm
前幅　：15.5cm

◆詳細
素材：絹
状態：中古品
付属品：

◆商品コード：HORO-0261

色　青藍(濃いめの藍色)
　　藍色